世界平和実現構想+α

世界の平和を実現するための方法を考えます

民主主義において満たすべき諸条件

この記事は書籍「世界の基礎」の一部です。

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表面的には人々の政治家を選ぶ権利や政治家になる権利が確保されているように見える制度であっても、それは直ちに民主制であると判断できるわけではない。民主主義であるためには少なくとも以降に述べる条件が十分に満たされなくてはならない。時にはそれらの条件を満たすことに厳密になりすぎない方がいいこともあるが、その場合でも民主主義を確実に維持できる程度にそれらの条件を満たすように最新の注意を払わなければならない。先述の通り民主制であるか独裁制であるかの区別は明確に行えるわけではないが、以降の条件が満たされなくなればなるほど独裁制に近づくことになるのである。

民主主義において満たすべき主要な条件は以下のとおりである(※以下で全てではない)。
・投票及び立候補における自由の確保
・言論の自由(表現の自由、報道の自由、学問の自由等を含む)の確保
・選挙の定期的かつ適切な頻度での開催

自由とはある存在が外部からの制約を受けずに自身の望む行為を行える状態にあることを意味する(と私は解釈している)。そして民主主義を実現するためには投票や立候補の際の自由を十分に確保する必要がある。例えば形式的には投票や立候補が可能であっても、投票者の投票先が他者により強制的に限定されることがあったり、立候補者が対立候補や現職の政治家からの暴力によって排除されたりすることが十分に抑止されていない制度となっているのであればそれは非民主主義であると評価できる。

そして、民主主義においては言論の自由の確保も大切である。言論の自由が失われると政治家への批判が行えなくなり、人々が社会に現政治家の問題を知らせることができなくなる恐れがある。そうなれば政治家は自身が持つ権力を自身のために扱うことが容易となり、実質的に民衆から国家の最高権力者としての地位を奪うことが可能となるだろう。同様に、もし報道の自由が制限され政権が自身にとって都合の良い情報ばかりを流すことが認められるのであれば、やはりこの場合も実質的に政治家が最高権力者となることが予測される。

また、選挙が定期的に実施されることも民主主義には必須の条件である(※あらかじめ定められたルールに従うのであれば完全な定期である必要はない)。一度選ばれた政治家が永続的に政権を握り続けるのであればそれは独裁である。選挙が定期的に開催されるからこそ、国民が政治における最高権力者で在り続けることができる。

 

 

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