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教育改革の手法及びその際の注意点

この記事は書籍「世界の基礎」の一部です。

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教育改革の手法及びその際の注意点

・良かれと思って行った改革が悪い結果をもたらすことはよくあることである。特定の改革案について、それが絶対に優れたものであると信じ込むようなことは避けなくてはならない。

・社会に与える影響が大きな改革であればあるほど事前にそれについて十分な議論をしてアイデアを洗練する必要がある。ただし十分な議論を行うことは議論の時間を無意味に増加させることを意味しない。

・リスクを取ること自体は悪いことではないが、致命的な失敗は避けなくてはならない。ただし、致命的な失敗を避けることは大きな変化を避けることを意味しない。

・慎重さと怠惰さは違うものである。本当は学んだり考えたりすることが面倒だから改革しないのを、慎重であるために改革しないのだと勘違いしてはならない。

・勉強不足が原因である漠然とした恐怖感から変化を避けるべきではない。積極的に学ぶことにより、無意味な恐怖はなくすべきである。

・他の国や地域の例も含めて、既に行われたことのある政策の情報については調べるべきである。

・改革を行うことで、それが成功しても失敗しても新たな知見を得ることができる。我々はどのような制度においてどのような結果が生まれるのかということについてより多くを解するためにも制度の改革を行わなくてはならない。

・考える力と学ぶ意欲および最低限の知識を身に着けさせることに成功したのであれば、その他の教育の制度の構築に多少失敗してもその教育を受けた世代は自力でどうにかする(多分)。


・政策を評価する際には、教育改革の成否ばかりに着目せず、その過程で適切にリスク管理や意思決定が行われていたのかについても見るようにした方が良い。

・政府の変化に期待するのであれば、国民自身が変わる必要がある。政府が適切な改革を行いたいと思っていても、国民の反対に合う恐れがあればそれを実施するのは難しい。

・誰かを敵にしてはならない。現場の人間を責め立てたり政治家や官僚を馬鹿にすれば解決するというものではない。

・本当に社会を変えたければ、重要な情報をより多くの人間に届けるようにするのが望ましい。人々の中にはネットしか見ない者もいればテレビしかみない者もいる。特定の世代のみの変化だけではいけない。分かりやすいキーワードを用意するといくらか情報が広がりやすくなるかもしれない。国民の側も積極的に自ら学び情報を集めることを継続しなくてはならない。


・大きな変化について
社会的に大きな変化をいくつも同時に起こす場合は、人々が精神的に余裕を失わないように気を使う必要がある。例えば、人々の時間が足りなければ当然精神的な余裕を持つことはできないので、大きな変化を起こす場合はそれに何らかの対処をしなくてはならない人々が十分にそのための時間を持つ必要がある。教育改革においては、後にも触れるが教員が時間の余裕のない状態に置かれないようにしなくてはならないだろう。そしてそれに限らず日本社会においては長時間労働などの問題があるので、国民の時間の確保のためにもその解決が必要である。また、時間の余裕の確保以外には、十分な情報の普及も行う必要がある。重要な情報を獲得できずにあるいは理解できずに取り残されている人がいるのであれば、その人にわかりやすい形で情報を伝えるように努めるべきだろう。


社会全体において本当に急いで起こさなくてはならない変化については、上記の配慮を行って破綻を防ぎつつもできる限り早く行うようにした方が良いだろう。例えば環境問題へ対処するための変化などは早く起こすべきである。一方で、急ぐ必要のない変化については、人々が余裕をもって対処できる速度で起こせば良い。人々はあまりに多くの変化が急速に起きるとそれに対処をすることが難しくなるので、すべての変化を短期間で実現しようとするのは避けるべきである。

 

・私は今後日本の教育が大きく改革されることに期待しているが、もしかすると大学を目指す子どもやその親の中には教育の改革が大きく行われた場合に受験への対策をしづらくなることに不満を抱く者もいるかもしれない。私はその人たちに対しては、そもそも受験への完全な対策をあきらめることと、受験以外の能力を身に着けることを推奨する。

 

教育の変化は民間の側で起こすこともできる

日本の政治の改革は遅い。今の若い世代がこの変革の遅さによって自分の人生を犠牲にする必要はない。教育の変化は政府によらずに教育を受けている側にいる者やその周辺の社会が自ら起こすことができる。

例えば子どもは自身の活動を推し進めたいとき、親や教師を説得することでその時間を確保することができる。このとき親や教師は対処することが面倒だからと言って子どもを押さえつけるようなことをしてはならない。子どもの主張のすべてを通すことはできないかもしれないが、行える範囲でサポートすべきである。また、子どもは仮に親や教師の説得に失敗したのだとしても、それはそれで経験が積まれたことになるので落ち込む必要はない。そして説得に失敗したなら失敗したなりに、自身の現状に合わせて自身の活動を推し進めるための時間を確保するより良い手段を考えればいい。

もちろん学校外部の社会が教育の変化を進めることもできる。今の学生はインターネットなどを使って簡単に学校外部の教育に関する情報に接触できるので、それを利用して子どもに教育上の重要な情報を教えるということが考えられるかもしれない。

 

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