世界平和実現構想+α

世界の平和を実現するための方法を考えます

悟るとどうなるのか【痛みに耐えられるのか、自分は消えるのか】

この記事は書籍「世界の基礎」の一部です。

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苦しみからの解放の限界

結局のところ思考も執着も欲もどこまでいっても完全に消せるようになることはない。しかし私は過剰にそれらを持つことを避けられるようになったのであれば十分なのではないかと思っている。苦しみから逃れたいのであれば、思考、執着、欲、そして苦しみからの解放への囚われの手放しを各自必要な範囲でやればいい。

・痛みについて
悟っても痛みを感じなくなることはないし、痛みに耐えられるようになることもない。しかし痛みを感じたり痛みに苦しんだりしてもその事実に動じることはないし、それらに動じたとしても今度はその事実に動じることはないのである。あるがままとはそのような状態のことを言うのである。


言葉に囚われない人

悟りと呼ばれるそれを得た人は、自身の考えの整合性を保つために肯定するべき考えを否定することが減り、自身が持つ複数の良い考えの間に矛盾が生じる場合には、労力をかけてでもそれを解消した理論を新たに構築するべきであればそうするが、そうでなければ矛盾する考えをそのまま内包するのである。また、そのような人は矛盾のない理屈を作ることにも逆にそれを作らないことにも囚われず、矛盾を受容していいという考えを根拠にして矛盾した理屈の正しさを証明したりすることもない。

 

悟った後の自己

悟った後でも「私」なるものを作ることはある。それは生きる上であったほうが都合がいい概念だからである。しかし悟ればあくまでそれは自身が作り出したものであるということを理解するだろう。

 

 

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