この記事は書籍「世界の基礎」の一部です。
中国人は歴史において中国に仏教が流入してきた際に老荘思想を通してそれを理解したらしい。それゆえに中国から仏教の思想を受け取った日本の仏教は老荘思想の影響を受けたものとなっている。私が仏教の説明の際に老荘思想を取り上げたのはそのためである。
老子は水のような生き方を善としている。水は万物に利益を与えながら争わず、誰もが嫌だと思う低いところに落ち着く。私は老子の思想を参考にし、根本的に柔である生き方（水のように世界に逆らわない生き方）を選択したいと考えている。時に剛としての生き方（世界を自身のために制御する生き方）も選択するが、それは柔に基づいて発揮するものである。
以下に個人的に特に気に入った老子の教えの一つを紹介する。
・禍の裏には福が隠れている。福の裏には禍が隠れている。禍と福とを単純に分けて取り出すことはできない。人々が物事の判断に迷うのはそのような事情を考えれば当然のことである。だからこそ特定の態度が行き過ぎて人々を傷つけるようなことのない道の立場に立つべきなのである。
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