世界の基礎+α

世界の平和を実現するための方法を考えます

人類社会におけるより良い道徳の普及ために我々が成すべきこと

この記事は書籍「世界の基礎」の一部です。

kanayamatetsuya.com

 

より良い考え方を見つけること、より良い制度を作ること

人々は、現行の制度よりも優れた制度があるのだとしても、その存在に気づいていないうちはそれを実現することができない。また、仮に自分が今より優れた制度を知っているのだとしても、他の人々にその制度の実現が自身の損失につながるという誤解があればそれを制度化するのは難しい。社会をより良いものにしたいのであれば、まずは優れた制度を見つけ出し、次にその制度がいいものであるということを多くの人々に伝えるようにしなくてはならない。

同様に、人々は今社会に普及している考え方よりも良い考え方があるのだとしてもそれを知らないうちはそれを支持することができない。もし社会をよくしたいのであれば人々にとってより良い考え方を見つけ出しそれをできるだけ多くの人に認知させることも大切である。本当に人々のためになる考え方についてはそれが世界の真理として正しいものではないのだとしても多くの人々の支持を得ることが可能である。

 

具体的実践方法

良い考えを広めるには具体的にどのようにしたらいいのだろうか。自分はその方法としては以下のようなものがあると考える。ただしそれらは単なる目安であり、絶対視するべきものではないという点には注意が必要である。

・効果的あるいは効率的判断基準の開発及び認知
人々やその他の生命の幸福の実現をより効果的あるいは効率的に達成することができる物事の判断基準を開発し、それを社会に認知させる。

・誤認の是正
優れた判断基準の存在を認知させるだけでそれが人々に支持されることになるとは限らない。何故ならば、その判断基準が本当に人々のためになるものであったとしても、人々がそうではないと誤解する可能性があるからである。そのような誤解を解くことも、良い考え方を広めることの一環である。なお、このとき、誰かが自分の利益のために不公平な基準を推進しようとするのであれば、そのような態度は自身が不利な立場になったときに同じようにされることを誘発するという事実を示すと良い。そうすれば、その人に公平な基準を支持することこそが利益であるということに気づかせる効果をある程度は得ることができる。

・慈悲の促進
慈悲とは簡単に言えば他者を思いやる気持ちのことである。慈悲を持つことの利点と慈悲を持つ方法を示すことも、ここで言う良い考えを広めることの一種である。特定の効果的あるいは効率的判断基準の採用が、全ての人々に利益をもたらすとは限らない。そうである場合に自身には利益が生じない人々にその採用を支持してもらおうとするのであれば、それらの人々の慈悲を促進することが必要である。

ちなみに、より良い制度の構築の際に目指されるのも、効果的あるいは効率的な制度である。また、上記の損失誤認の是正と慈悲の促進は、それらの制度の促進のためにも行われるものである。

 

適切な環境を構築することによる社会に流通する倫理への統制

人々がより良い道徳を持ち続けるためには、人々から時間や心の余裕が奪われることのない社会を作ることが大切である。それらが失われると本来であればやさしさのある人間であっても、他者に配慮することが困難となっていく。また、道徳教育も重要である。

 

道徳的言動の強制的推進について

人々はある言動が自身の道徳的価値観から見て容認できないものであればあるほど、法規制等のより強制的な手段を以ってそれが行われることを阻止しようとする。しかし、社会の道徳を推進する際には、強制力の高い手段ほどできるだけ使わないようにするべきである。何故ならば社会で他者に対する強制的な統制が安易に行われるようになると、自身が少数派となったときに多数派による無思慮なあるいは誤った強制が行われる可能性が高まるからである。また、他者に何かを強いようとする態度が行き過ぎると対立や争いが多発することになる。

なお、政治的に実現される道徳は独裁体制下でなければ民衆全体の意志によって定まる。我々が民主制を採用するのであれば、その結果はその是非に関わらず必然である。民主制を維持し続けようとするのであれば、その結果が好ましくないと思われるのであっても、民衆自身の意志の変革によってそれを解決する以外に方法はない。

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