この記事は書籍「世界の基礎」の一部です。
子どもの幸福
子どもの幸福を後回しにしてはならない。確かに成人してからの幸福のために子どもの内から努力をさせることも大切だが、その努力のために子どもの時代の幸福を奪うことは避けるべきである。せっかく(少なくとも先進国の大半の家庭では)働かずとも生きていける期間を学校の勉強で潰すのはもったいないことである。また、子どもに成功を求めてはならない。成功を目指すか目指さないかは子ども自身が決めることである。
努力を褒める
頭の良さではなく努力を褒めるべき。努力を褒めると子どもは自ら努力を行うようになるだろう。
しかし頭の良さを褒めると子どもは現状に満足し努力をしなくなる可能性がある。あるいは頭が悪いと思われたくないがために挑戦を避けるようになる。
子どもが努力をしてそれを親に教えてきたのであれば、それをないがしろにせずちゃんと褒めてやった方がいい。
考えさせる
子どものころから自分の頭で考える癖をつけておくことが大切だ。
そのためには子どもが何か疑問を持ったときに、それに共感したうえでその疑問について自分で考えることを促すといいだろう。その際はあせらせずゆっくり考えさせること。
考える疑問はその場では解決できそうにないものでもいい。答えは間違っていてもいい。どんなに馬鹿げた考えに見えてもそれを笑わず考えたことを褒めること。
親が子どもと一緒になって考えてみたりするのもいいかもしれない。
本を置く
できれば小さなうちから近くに本を置いておいた方がいい。その本は知的好奇心が刺激されるような本が好ましい。本のレベルは子どものレベルに合わせておくこと。少しぐらいはあえて難しいものを置くのもいいがそればかりだと興味を持ってはもらえない。
図書館に連れて行ったり、本屋で子どもに好きな本を選ばせてそれを購入したりすることも推奨する。私の場合は昆虫の図鑑や宇宙の本などを買い与えられたことにより、自らすすんでそれらについて学ぶようになった。宇宙や自然の生き物に関する本は子ども向けのものは難しい理屈を知らずとも楽しめるのでおすすめする。
ただし、読むことを強制してはならない。子どもが自然に読むのを待つべきである。親が何かをするとしてもせいぜい読むことを子どもの好奇心を促進するような形で促す程度である。それでもどうしても読まないのであればあきらめたほうがいい。また、ご褒美を与えて本を読ませるのも適切ではない。子どもが知識を得るためではなくそれを得るために読書をするようになれば、その褒美が得られなくなったタイミングで読書をやめるだろう。心理学においては自身が自ら興味を持って行っていた活動に対して報酬が与えられるようになると、その報酬が与えられなくなった時にやる気をなくすという現象が確認されている。
子どもに多種多様な経験をさせること
海外留学などのお金のかかることでなくてもいい。私などは子どもの頃に親によく天文台や科学博物館などに連れて行ってもらった。あるいは科学のイベントにも連れて行ってもらうことも何度もあった。今の私はそれらの経験が自身にいい効果を及ぼしていると感じている。
子どもの自主性を大切にすること
子どもの自由を大切にしなくてはならない。親が子どものやることを定めるのは最低限に留めるべきである。そして子どもが興味を持ったことがあれば親はそれをサポートすることが大切である。
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