世界の基礎+α

世界の平和を実現するための方法を考えます

リスク管理

この記事は書籍「世界の基礎」の一部です。

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人生を破滅させる可能性のある賭けをしてはいけない。仮に一度それに成功したとしても、それを続ければやがてははずれを引くことになる。そのような賭けをする回数はできる限り0に近づけなくてはならない。そのためにはそのような賭けを回避する努力を事前に行っておくべきである。破滅の可能性がある賭けはそれ以外に選択肢がないときや、それをしない方がリスクが高い場合にやむを得ず行うものである。

私は十分にリスク管理が行われているのであれば、リスクの高い選択肢をとることにも問題はないと考える。しかしそれは無意味にリスクの高い選択肢を選択することを推奨しているわけではない。特に理由がなければ、得られるリターンが同程度の複数の選択肢がある場合にはよりリスクが低いものを選ぶようにした方がいいだろう。また、リスクを取らなければ大きなことができないと思い込むのも誤りである。小さなリスクの選択肢を組み合わせることによっても何かを成すことは可能である。情報収集と考察を行うことでより多くの選択肢を把握することもできる。


自身が大きな成果を求めていて、それを実現するためにはリスクを取るしかないのだとしても、そのリスクがあまりに大きすぎたり成功率が低すぎたりするのであればそもそも成果を上げるのを諦めることを考えたほうがいいだろう。自分自身の実力や自分を取り囲む状況からそもそも実現が実質的に不可能な目標というのが世の中には存在するのである。そのようなものを無理に実現しようとしても身を滅ぼすだけである。その場合は自身にできる範囲でより良い結果を生むように努めるしかない。無理なものは無理。

個人の人生における選択や企業や国家の運営上の選択において、重大なものほど失敗するものだと思っておいた方がいい。失敗した場合のことも想定し、必要な対策はしておくこと。

集団に関していえば中には無理なリスクをとって初めて行えるような行動をする者がいくらかの割合でいたほうが有利であるといえるのかもしれない。しかしやはり人々は致命的な失敗は犯したくないと考えるものであるので、何も手を打たないのであればリスクを取るものは生まれづらい状況は変わらないだろう。従ってもしある集団のリスクを取る者の割合を増やしたいのであれば、失敗をした場合にもその個人の存続が十分に可能となるような制度を整えたほうがいいだろう。そうすれば、そのような制度がなかった場合にはできなかったようなことをする者が増え、それは新たな発見をその集団にもたらすかもしれない。

 

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